マシニングセンタ(MC)とは、自動工具交換装置(ATC)を装備したNC工作機械です。
フライス削り、中ぐり、穴あけ、リーマ通しなど多種類の加工を行える点はNC工作機械と同じですが、工具を自動で交換してくれるので複数の加工を連続で行えます。そのため、各工程ごとに作業者が工具を交換する時間が省けるため生産性が高いという特徴があります。一般的にマシニングセンタはプログラムを組んでしまえば機械が自動で加工を行なってくれる為ラインで導入されることが多くなっています。
マシニングセンタの種類と特徴
マシニングセンタの種類には、「横型マシニングセンタ」、「立型マシニングセンタ」、「門型マシニングセンタ」といったものがあり、その用途に応じて使用することで生産効率の飛躍的な向上が期待できます。
- 横型マシニングセンタ
高い加工精度が実現できるため、精密部品加工を大量生産したい場合に効果的 - 立型マシニングセンタ
加工箇所が多い金型ような多品種小ロットの製品に適している - 門型マシニングセンタ
大型の製品を加工するのに適している
マシニングセンタの構成
マシニングセンタの大まかな構成は以下のとおりです。
- NC装置
Numerically Controlled Machine Toolsのこと。自動制御装置で、加工品にあわせて工具を配置します。 - ATC
Automatic Tool Changerの略。工具のセットや必要に応じた工具の交換を行う部分。 - 工具マガジン
ATCで使用する工具を収納するための装置。収納できる工具の数は30~40本。マガジンは追加可能。 - 中間アーム
工具マガジンに収納されている工具を取り出す部分。 - 主軸(スピンドル)
取り付けた工具を、回転運動させる装置。主軸の回転数は、近年高速化が進んでいます。 - ベッド
ベッドはマシニングセンタの基盤部分で、底辺を支える役割。 - コラム
ベッドから垂直に伸びる柱のこと。マシニングセンタの種類によっては、コラムとベッドが一体化していることも。 - インデックステーブル
角度の割り出しができるテーブル。角度を設定することができ、これで4軸・5軸加工といった複雑な加工も可能。 - 切削油タンク
加工時に使用する切削油を入れておくタンク。切削油はポンプで加工部分まで送られる。